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大阪市港区から来院。過去に治療した歯の歯茎に出来物ができた患者様
天王寺から歩いて徒歩1分マイクロスコープを用いて診療を行っている歯医者「松川デンタルオフィス」歯科衛生士の金丸です。
今回は過去に根管治療した歯の歯茎に出来物ができてしまった症例をご紹介致します。
こちらが今回の部位です。
こちらは左上の歯を頬っぺた側から見た写真になります。1番奥の歯の歯茎に出来物のようなものが出来ているのが分かりますか?
これはフィステルといって歯の根に炎症が起きたとき、膿が溜まることで発生します。
レントゲン写真で見て見ましょう。
根の先に黒い影が写っていますね、、
CTでも見てみましょう。
青い線で囲ってある部分が「上顎洞」といって鼻と繋がっている空洞である副鼻腔のひとつです。そして黄色の線で囲ってある部分は粘膜が肥厚してしまっている部分です。かなり大きく腫れてしまっていますね、、
上の奥歯の根っこの方は上顎洞と近接しているので炎症が起こるとこのように粘膜が肥厚してしまうことがあります。
症状としてお痛みなどはなかったそうですが、人によっては噛んだ時に痛みが出たり、頭痛などの症状が起こるともあります。
そこで根管治療を行います!根っこの感染を取り除くことでこれらの症状は改善されます!
こちらが根管治療後のレントゲン写真です!
4根の根尖まで感染を除去し、根管充填をしています。薬が根の先までしっかりと充填されていますね!
3ヶ月後にはCTでも経過をみます!
骨が回復し、上顎洞粘膜の肥厚も小さくなっていますね!今後も定期的にCTを撮り、経過観察を続けます。
これで感染は取り除けたのですが、まだこの歯には問題がありました、、
それは、歯質に歯肉が被ってしまっていることです。
このように歯の周りの歯茎が盛り上がってしまっている状態のまま被せ物を作ってしまうと、被せ物と歯との間に隙間ができ、細菌が入ってしまいます。
また、被せ物の治療をするにあたって無視してはいけないのがフェルールです。
歯冠修復において、歯茎から高さ約2mm以上の健康な残存歯質があると、その周囲を被せ物がリング状に把持し、歯根破折を防止する効果(フェルール効果)があります。
院長は、マイクロスコープを用いて、このフェルールを確認し、支台歯形成を行います。
今回はディスタルウェッジという施術を行いました。
ディスタルウェッジとは、1番奥の歯の歯肉を除去して歯茎のラインを下げることを目的とした手術です。
術後は、縫合して歯肉の回復を待ちます。
2週間程はブラッシングや舌圧などで患部を刺激してしまうと経過が悪くなってしまう為、パックをして経過をみます。
横からの写真も見て見ましょう。
歯茎のラインが下がったのが分かりますか?また、フィステルもすっかり消失していますね!
現在は仮歯を入れて経過観察中です。
その期間が終了したら最終の補綴を入れて終了となります!
実は今回のこの患者様、口腔外科医の方なんです!
口腔に関して専門的なご職業のため院長は緊張されていたようですが、綺麗にできて良かった治療させていただけて恐縮と仰られていました☺️
過去に治療した歯に痛みがある方、または痛みがなくても出来物のようなものがある、という方は中で炎症が起きてしまっている可能性があります。少しでも気になるような症状があればお気軽にお問い合わせください🍀*゜
症例データ
年代/性別 | 40代/男性 |
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症状 | 過去に治療した歯の歯茎に出来物ができた。 |
治療方法 | 感染根管治療 歯冠長延長術(ディスタルウェッジ) |
費用 | 診断料 ¥33,000- 感染根管治療 ¥143,000- リトリートメント ¥44,000- ファイバーコア ¥33,000- オールセラミックス ¥176,000- 歯冠長延長術 ¥55,000- |
備考 | メリット:歯を残す事でができる デメリット:歯科医師や矯正医に高い技術が求められる |