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歯科コラム

歯茎から膿が?考えらえる原因、治療法を解説

歯茎に生じる症状には痛みや腫れのほかに、「膿が出る」という症状があります。お口の中で変な味がしたり、いつもとは違うニオイを感じたりした場合、もしかしたら歯茎から膿が出る症状があらわれているかもしれません。ここでは歯茎から膿が出る場合に考えられる原因や放置するリスク、当院での治療法などをご紹介していきましょう。

 

なぜ歯茎から膿が出るのか

膿は主に細菌の感染・炎症によって生じる黄白色または黄緑色の液体です。歯茎から膿が出るという状態は、その部分に細菌が感染して炎症が起こっていることを意味しています。この状態は一時的な出血とは異なり、そのまま様子を見ても自然に良くなることはありません。その具体的な原因に、以下の病気が考えられます。

歯周病

歯周病は口内に生息する歯周病菌が歯茎に感染・炎症を起こし、やがてその炎症が内側にある歯槽骨(歯を支える骨)にまで広がる病気です。進行に応じて軽度・中等度・重度の3段階に分類され、中等度から重度の歯周病になると歯茎から膿を排出することがあります。歯周病は「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれることもありますが、これは歯茎から膿が漏れ出す(膿漏)状態を意味しています。

根尖性歯周炎(根尖病変)

根尖性歯周炎は過去に神経を抜いた歯、あるいは神経が死んだ歯に生じる炎症性の病気です。歯根(根っこ)の先に細菌が感染し、その部分に膿の袋を生じます。膿が大量になると歯茎に瘻孔(ろうこう)と呼ばれる穴が空き、そこから膿が排出されます。根尖性歯周炎は自覚症状に乏しく、おできやニキビのような歯茎の腫れや膿の排出で異変に気付くこともめずらしくありません。

歯根破折

歯根破折は歯根にヒビや割れが生じるもので、過去の治療で神経を取った歯や差し歯を入れた歯に起こりやすいのが特徴です。歯根に亀裂が入るとそのすき間から細菌が感染し、炎症が起こって歯茎から膿がでることがあります。

智歯周囲炎(親知らずの炎症)

智歯周囲炎は親知らず周囲に細菌が感染・炎症を起こすもので、歯茎の痛みや腫れのほかに膿を排出することがあります。

 

放置することでどんな悪影響が?

歯茎から膿がでる状態を放置すると、口腔だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

口腔内の影響

膿が出ている状態をそのまま放置すると、炎症により周囲の歯が破壊され、最終的にその歯が残せなくなる可能性があります。また、炎症が顎の骨にまで広がると「顎骨骨髄炎」を引き起こし、痛みや腫れにくわえ倦怠感、発熱などの全身症状を伴うことがあるため注意が必要です。

全身への影響

お口に生じた感染症は血流を通じて全身にも影響を及ぼす可能性があります。なかでも歯周病は全身疾患との関連が指摘されており、糖尿病や心筋梗塞、脳卒中の引き金になるおそれもあるため注意が必要です。

歯茎から膿が出ている時の注意点

歯茎から膿が出ている状態は病的なものであり、一時的に症状が消えることもありますが自然に治ることはありません。治療をしないかぎり、再発を繰り返しながら病状が悪化していくため、時間を置かずにできるだけ早めに歯科医院を受診するようにしてください。

また、膿が気になるからといって患部を舌や指で触ったり、強く押して無理に膿を出したりすると病状が悪化するおそれがあります。受診するまでの間は患部を安静にし、口腔内を清潔に保つようにしましょう。

 

当院が行う治療法

先に挙げた原因のうち、歯周病や根尖性歯周炎が原因で膿が出ているケースについては以下の治療を行っていきます。

歯周病の治療(歯周治療)

①スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

スケーリング・ルートプレーニングは歯周病の進行によって深くなった歯周ポケットに対して行う処置です。「キュレット」と呼ばれる器具を使って、歯周ポケット内の歯根に付着した歯石や感染物質を除去します。

②歯周ポケット掻把術(フラップ手術)

先のスケーリング・ルートプレーニングで歯石や感染物質を十分に除去できない場合、歯茎を切り開いて内部の歯石を除去する歯周ポケット掻把術(フラップ手術)を行います。

③歯周組織再生療法

歯周病によって骨の破壊が進んでいるケースに対しては、「GTR法」や「エムドゲイン法」に代表される歯周組織再生療法を行い、新たな骨の再生を促していきます。

根尖性歯周炎の治療(根管治療)

根尖性歯周炎が原因で歯茎から膿が出ているケースには、再根管治療(感染根管治療)を行い、病状の改善を図ります。過去に入れた詰め物・被せ物を除去した後、根管内の清掃・消毒を行い、炎症を改善していきます。

まとめ

以上のように、歯茎から膿が出る症状は細菌感染による炎症の可能性が高く、これらの炎症は仮に症状が一時的に落ち着いても自然に治ることはありません。放置すると病状が今よりもさらに悪化し、最終的には自身の歯が残せなくなったり、全身の健康に悪影響を及ぼしたりするおそれがあります。したがって、放置せずに早めに歯科医院を受診しましょう。

 

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