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歯の再植について
天王寺駅から徒歩1分の歯医者『松川デンタルオフィス』衛生士の山崎です
今回は歯の『再植』について
紹介させて頂きます
この方は初診の時から左下7番の周りの骨の吸収が著しく、歯周病検査の結果でも骨がないのでポケットが深くなっていたり、歯の動揺が見受けられます。
何故こんなに骨がなくなったのか…
という問題ですが、
院長の診断は
①根尖に取り残した神経があり、そこも感染源になっている
②根管治療の際に誤った所に穴をあけてしまい、そこから菌が入ってきた
というものでした。
結果、この歯を残していく為に、一度歯を抜いて抜いた穴の中の感染した組織を取り除き、抜いた歯の感染源も断ち切り、再度抜いた歯を元の穴の中に戻します
オペを行う前に一度、感染根管処置を行っておきます。
そしていざ再植に入っていきます
術式を順番にご説明致します
オペは2019.11.27に行いました
1.麻酔をかけ、歯根膜を傷付けないように抜きます(歯根膜を失うと、歯が骨と結合しなくなってしまいます)
2.抜いた歯は乾燥させないように、生理食塩水のガーゼで包んでおきます(歯根膜が乾燥や傷のダメージを負うと再移殖が失敗してしまいます)
3.抜いた穴の中の感染した歯茎を取り除き、綺麗にしておきます
4.抜いた歯は切削器具を使用し、根尖に充填されているアマルガムを除去します
5.その後、MTAセメント(強アルカリ性の殺菌力の優れた、高い封鎖性があり密閉に近い状態にできるセメント)を根尖に塗布し、感染経路を遮断していきます
6.抜いた穴の中へ人工骨を入れ、その上に処置をした歯を戻していきます
7.歯の周囲の隙間に骨を追加して入れていきます(グラつきがないようにします)
8.縫合
この歯に力がかかると、移殖した位置からズレてしまったり、人工骨が隙間から漏れてしまったりします。せっかく行ったこのオペも無駄になってしまいます
なので、力がかからないように仮歯を外しておき歯茎のパックを行い1週間経過観察を行います
1週間後にパック除去と抜糸を行います
除去後がこちらです
そして6ヶ月間、仮歯を入れて引き続き骨が完全に出来るまで待ちます
術後3ヶ月のレントゲン写真です
↑術前は黒く抜けていた骨がなかったところが白っぽくなってきています。
これは骨が出来てきている状態です
現在も経過観察中ですが、何も起きずに術後は良好です。
通常であれば残す事が難しかった歯ですが、今は再植を行った事により無事に残せています
松川デンタルオフィスでは、なるべく歯を残していけるように治療を行っております。
皆様もこの歯が残るのか、残せるのか不安な事があればご相談下さい